「ご支援しました」が読まれ方を決めてしまう
支援側の言葉は、当事者性を消す方向に働きます。
支援の仕事では、決めるのは顧客です。だから「ご支援しました」「ご提案しました」は、事実として正確です。ところが事業会社の選考では、この言い方が「自分では決めていない人」という読まれ方になります。
読み手が探しているのは、判断の跡です。何を選び、何を捨て、その結果どうなったか。ここが書かれていない経歴書は、案件の数が多くても評価が伸びません。
書き換える3つの言葉
1. 主語:「ご支援しました」→「決めました」
すべてを「決めました」に置き換える、という意味ではありません。自分が決めた部分だけを、決めたと書くということです。調査の方向、比較する案の絞り込み、優先順位。支援の立場でも、決めていることは必ずあります。
「新規事業の立ち上げをご支援しました」→「進出先の候補を3つに絞り、市場規模ではなく再現性で1つを選びました。撤退の条件も同時に定義しました」
2. 範囲:「プロジェクト全体」→「自分が持っていた範囲」
チームの成果を自分の成果として書くと、面接の深掘りで崩れます。逆に、範囲を正直に狭く書いた経歴は強いです。狭くても、自分が持った範囲なら、そこは深く話せます。
範囲を書くときは、金額・人数・期間のどれかを添えてください。「予算3,000万円の範囲で、外部パートナー2社の選定を担当」のように書くと、任せられる大きさが伝わります。
3. 結果:「提案しました」→「その後どうなったか」
支援側の経歴で最も抜けやすいのがここです。提案が採用されたのか、実行されたのか、数字が動いたのか。提案の質ではなく、提案の後で起きたことが読まれています。
採用されなかった案件も書けます。なぜ通らなかったのか、そこから何を変えたのかを書くと、判断の基準が見えます。
書けないときは、無理に埋めない
実行まで関わっていない案件しかない場合、実行したように書くのは避けてください。労働条件と同じで、経歴の創作は選考でほぼ必ず崩れます。
その場合は、提案の前に何を調べ、どの案を捨てたかを書いてください。決めた跡は、実行の有無とは別に残せます。
直す順番
- 直近1社の、いちばん長く関わった案件から直す。1件を3点で書き換えると、残りは同じ型で直せます
- 冒頭のサマリを最後に書く。中身が直ってから書かないと、サマリだけが立派になります
- 面接で聞かれる想定で読み返す。「これはあなたが決めたのですか」と聞かれて答えられない一文は、書き方が曖昧です
たたき台は職務経歴書メーカーで作れます。仕上げは面談で一緒にやる方が多いです。面接での問われ方は事業開発の面接で落ちる、5つの型に整理しています。
まとめ
この記事の要点
- 支援側の言葉は、読み手に「決めたのは別の人」と伝わる
- 書き換えるのは主語・範囲・結果の3つ。案件を盛る必要はない
- 自分が決めた部分だけを「決めた」と書く
- 範囲は狭く正直に。金額・人数・期間のどれかを添える
- 提案の後で何が起きたかを書く。通らなかった案件も材料になる
- 実行していないことを書かない。選考で崩れる
よくある質問
コンサルの経験は、事業会社の選考でどう見られますか?
「ご支援しました」は、経歴書に書いてはいけないのですか?
実行まで関わっていない案件しかない場合は、どう書けばよいですか?
事業会社へ移ると、年収は下がりますか?
職務経歴書は、どこから直せばよいですか?
※ 記事内の件数と年収は、当社が掲載しているピックアップ求人を2026年8月18日時点で集計したものです。個別の労働条件は、面談で求人票をもとにお伝えします。
支援側の経歴を、事業側の言葉に翻訳するところから一緒にやります。
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