「技術がわかる人」を採ってしまう罠
いちばん多い失敗が、これです。要件に「◯◯技術の知見」と書く。すると技術に強い人が集まる。でも彼らの多くは、技術を深めることには向いていても、それを事業に変える仕事には興味がなかったりします。
技術理解はもちろん要ります。ただ、それは入場条件であって、勝負どころではない。勝負はその先、技術の何が誰の困りごとを解くのかを言葉にして、値段をつけて、売り方まで組み立てられるかどうかです。ここが抜けると、優秀なエンジニアを事業開発の椅子に座らせてうまくいかない、というよくある話になります。
コンサル出身者への期待がずれるとき
戦略コンサルの人を採れば事業開発が回る、と考える会社もあります。半分当たっていて、半分外れます。
構想を描く力は確かに高い。問題は、立ち上げの現場で必要なのが構想ではなく実行だということです。自分で顧客に当てて、断られて、直して、PoCを回して、収益化まで持っていく。この地味な往復を面白がれるかどうかで、立ち上げフェーズの働きは大きく変わります。候補者と話していても、「戦略まではやりたいが実行は別の人に」と線を引く人と、「自分で企画から実行までやりたい」と言う人は、はっきり分かれます。先端技術の事業化で戦力になるのは後者です。そして後者は数が少ない。
見極めの軸は「どこを一人でやり切ったか」
候補者を見るときに私たちが見るのは、経歴の華やかさではなく、次の点です。白地の市場を自分で探索したか。見つけた課題を製品と収益モデルに落として、値付けと勝ち筋まで決めたか。作ったものを実際に売って、再現できる型にしたか。
この3つが1本の線でつながっている人は、正直かなり少ないです。だから希少で、相場も上がります。逆に、どれか1つだけが強い人を、はまらないフェーズに置くと機能しません。探索が得意な人に運用の型化をやらせても、噛み合わないのと同じです。
年収の相場観
当社が掲載している事業開発の求人200件で見ると、レンジはこのあたりです。募集時点の想定年収で、実際は各社の選考で決まります。個別の求人の条件ではありません。
年収レンジの上限の中央値は1,200万円、下限の中央値は775万円です(2026年9月時点)。任される仕事ごとに見ても、下限の中央値は700万〜800万円、上限の中央値は1,200万〜1,300万円の帯に収まります。AIを事業に実装する募集も上限の中央値は1,200万円で、名前にAIがつくだけで上振れしているわけではありません。差がつくのは、技術を理解したうえで事業化まで担える人が少ないという中身のほうです。ここを一般的な企画職の水準で設計すると、そもそも候補者の目に留まりません。
採用の入口はカジュアル面談にしたほうがいい
もう一つ、実務的な話を。この層はほぼ全員が在職中で、しかも情報感度が高いです。いきなり書類選考の重い入口を置くと、話す前に離れます。
会ってみて事業の話をすると、書面では伝わらない相性が見える。堅い入口で母集団を狭めるより、まず会う設計にしたほうが、結果的に選考に進む人は増えます。急ぐ理由もあります。良い候補者は複数社が同時に狙うので、意思決定の速さがそのまま採否を分けます。
よくある質問
事業開発(BizDev)とコンサルタントは何が違いますか?
先端技術の知識がない人は事業開発では通用しませんか?
事業開発人材の採用で年収はどの程度を見込むべきですか?
カジュアル面談から始めることに意味はありますか?
事業開発人材はどこで探せばよいですか?
気になっている募集の範囲を、面談の前に確かめます。
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