KPIは諸刃の剣です。正しく設計すれば事業を加速させ、間違えるとチームを「数字のための行動」に走らせてしまいます。事業開発のKPI設計でまず問うべきは「何を測るか」ではなく、「この数字を追わせたら、人はどう動くか」です。
KPIは「行動を誘導する装置」
人は測られた数字に最適化するため、追わせたい行動から逆算して指標を選びます。
商談数をKPIにすれば中身の薄い商談が増え、契約数だけを追えば筋の悪い契約が混じります。私たちが見てきた中でも、KPIの置き方ひとつでチームの動きが大きく変わりました。
POINT
「測れるから測る」は罠です。測った瞬間、その数字はゲームの対象になります。望ましい行動を引き出す指標かを先に問います。
フェーズで追う数字は変わる
0→1は学習の速度、1→10は再現性、10→100は効率と規模を追います。
- 0→1(検証期):売上ではなく学習の速度。検証回数、課題仮説の的中
- 1→10(再現期):勝ちパターンの再現性。受注率、立ち上げ期間、継続率
- 10→100(拡大期):効率と規模。ユニットエコノミクス、回収期間
領域別の注意点
アライアンスは「締結数」より「締結後に動いた数」、DXは「導入率」より「定着」を見ます。
新規事業で売上を早く求めすぎると、検証より延命に走ります。事業性の見極めは「事業性検証」、立ち上げは「SaaSの0→1立ち上げ」もどうぞ。
NOTE
結果指標だけ追うと、悪化に気づいた時には手遅れです。結果を生む手前の行動指標を、一緒にダッシュボードに置きます。
先行指標と遅行指標をセットで持つ
行動(先行指標)と結果(遅行指標)を組み合わせると、早く軌道修正できます。
職種の全体像は「事業開発とは」、社内推進は「DX・新規事業の進め方」にまとめています。
よくある質問(FAQ)
事業開発のKPI設計で大事なことは何ですか?
「この数字を追わせたら人はどう動くか」を先に考えることです。望ましい行動から逆算して指標を選びます。
フェーズごとにKPIは変えるべきですか?
はい。0→1は学習速度、1→10は再現性、10→100は効率と規模、と追う数字を切り替えます。
悪いKPIの例は何ですか?
商談数や締結数など、量だけを追う指標です。中身の薄い行動を誘発し、事業を殺すことがあります。
先行指標と遅行指標の違いは何ですか?
先行指標は結果を生む手前の行動、遅行指標は結果そのものです。両方をセットで持つと早く修正できます。
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